上昇時のリスクを0にしました(買い玉の移動)

トレード実戦記
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こんにちは、パブロです。

先日の投稿の翌日に早速500円超えの下落がありましたので予定通り上昇時の最大損失を改善しました。

先物や現物株と違ってオプションでは原資産(日経平均)が上昇・下落のどちらかに相場変動があると大幅に収益をアップさせる事ができます

初めて知った時はとても驚きましたが、この仕組みを理解したおかげで楽に収益があげられているといっても過言ではありません。後半で仕組みを詳しく書きますので知らなかった方はぜひ学んでみてください。

まずはポジションの移動履歴から

【寄り付き前ポジション】

Call38250@850 買い1枚

Call38500@715 売り1枚

Put36000@230 買い1枚

Put35500@180 売り4枚

Put37500@920 買い1枚

最大損失(SQが38500円以上):▲31万円

最大利益(SQ35500円):+324万円

コールの買い玉38250を損切りしてCall37750に建て直します。

損切り玉:Call38250@850+1 決済売り@580(決済損益▲270)

新規建玉:Call37750@830+1

【現在ポジション】

Call37750@830 買い1枚

Call38500@715 売り1枚

Put36000@230 買い1枚

Put35500@180 売り4枚

Put37500@920 買い1枚

最大損失(SQ37750円以上):▲6万円

最大利益(SQ35500円):+269万円

最大損失をご確認ください。▲31万円だった損失が▲6万円まで減少しています。
たった一度のポジション移動だけで収益が25万円も改善しました。この『買い玉の移動』を知っているかどうかで生涯オプション収益が数千万円は変わると思います。

一応最大損失は▲6万円となっていますが、これはSQ直前になるといつでも消せる損失なため『上昇時のリスクは0』としています。(実際にSQ直前でどのように動くかはまたブログを更新します)

これで6月限はどれだけ上昇してもリスクはほぼゼロ。更に下落が続く場合には大きな利益が狙えるポジションへと進化しました。

では、
なぜ損切りしているのに収益が改善しているのか?
買玉を移動させただけで損失が減少しているのか?
具体例をあげながら詳しく説明していきます。

日経225における買い玉の移動による収益改善方法

例)今の原資産(日経平均)が38000円
ATMの38000円でCallとPutをそれぞれ1枚買っているとします。
(※専門用語で「ロングストラングル」と言います)

(上記例の現在ポジション)

Call38000@800+1

Put38000@1000+1

最大損失(SQ38000円):▲180万円

最大利益(SQ39800円以上 or SQ36200円以下):利益無限大

エクセルの収支表だとこんな感じ(※単位は1000円)

一番右の合計の列をご覧ください。買玉しか持っていないので利益無限大ですが、SQが36,200円〜39,800円の間で納まった場合には必ず損失が出てしまいます。

ここから仮に2000円の下落が起きた場合、Callのプレミアム価格が以下のようになったとします。(※実際にはボラティリティや残日数、グリークスによってプレミアムは異なりますが、例なので分かりやすく)

・C38000(@200)

・C36000(@650)

ここで元々のC38000(@800)で建てた買い玉を損切り

C38000(@800)+1 決済売り@200円(▲60万円の損失)

C36000(@650)+1を新規で建玉

(現在ポジション)

C36000(@650)+1

P38000(@1000)+1

最大損失(SQ36000円〜38000円):▲25万円

最大利益(SQ38001円以上 or SQ35999円以下):利益無限大

買い玉の移動前と比較すると最大損失が▲180万円から▲25万円へとなんと155万円も損失を改善できています。

ではなぜこんな事が起きてるのでしょうか?デメリットはないのでしょうか?

当然ながらデメリットはありまして、SQ値36,000円の合計欄を比較してご覧ください。ポジション移動前は+20万円の利益だったのに、買い玉の移動をしたあとは▲25万円の損失に変わっています。

また35000円の合計欄を確認すると、買い玉移動前は+120万円だったのに対して、移動後は+75万円となっており、『継続して下落』がおきた場合は収益が改悪しています。

つまりこの『買い玉の移動』とは言い換えると、上昇による損失を減少させるというメリットと引き換えに、下落時の利益を削るというデメリットとの等価交換なのです

このままSQが36000円で終了した場合や、36000円以下まで下落した場合には「やらない方がよかった」となるのですが、逆に38000円まで戻った場合にはやっておいて良かったとなるのでどちらが正解という話ではありません。

今回は分かりやすく買玉しか持っていないポジションで説明しましたが、実際には売り玉を持っているので「買い玉の移動」はやった方が長期的には得をすると思っています。(過去10年のデータから見ても明らかです)

また基本的には日経平均というのは上下を繰り返すレンジ相場(ボックス相場とも言う)ですので、最大利益を削って最大損失を減らす作業は必須と言えるかもしれません。

このテクニックは今後、なんども使っていくので是非これを読んだあなたも使えるようになってみてください。

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